コトバ/デザイン/アソビ [モノサシに目印]単行本 レビュー
メディアの実験集「モノサシに目印」 コトバ/デザイン/アソビ (Web Designing BOOKS) | |
長谷川 踏太 毎日コミュニケーションズ 2008-08-22 売り上げランキング : 192710 おすすめ平均 アイデア満載で、思考が刺激されます。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
本書は、雑誌「WebDesigning」で連載中の「モノサシに目印」を単行本としてまとめたものだ。
この連載は、毎月見開き(=2ページ)で雑誌に掲載されている。単行本には、2004年1月の連載開始回から、2008年3月の回まで載っている(途中2回ほど未収録のものがあるのが、残念だが)。
その連載の合間に、インタビュー記事として、東泉一郎さん、サマタマサトさん(Delaware)、ナガオカケンメイさん、exonemo(エキソニモ)の4組との対談がある。
さて、この本自体は、長谷川さんの連載を単行本化したものなので、すでに知っている人やファンにとっては、いわずもがな。ただ、この連載を知らない人にとっては、どのような経緯で生まれたのかから遡って読んでもらうと楽しめるだろう。「はじめに」を読むとよく分かる。
この連載は、月刊WebDesigningというWEBデザイナーをターゲットにした雑誌に掲載されている。
Webデザインの雑誌でこの連載は、すこし変わった雰囲気を持っている。技術系雑誌にある読み物連載の立ち位置で、ありながら、さすがデザイン雑誌と思わせる内容がある。
たとえば、ある回では、水平であるべきレイアウトデザインが斜めにゆがんでいる。なぜか分からないまま、読み進めると、最後になるほど!と思った。
斜めに書いてあると、人は、自然に首を斜めにかしげる。この斜めにかしげているのを、電車の向かい側から見ていると、難しそうな本を読んで、考え込んでいるように見えるのだ。
つまり、今回、斜めにレイアウトしたことで、自然にあなたは難しい本を読んでいると周りに思われたにちがいない、と。
ちなみに、本を斜めにするとまったく逆の効果があるので、注意とまで書いてある。
なぜ、そのようなことを思いつき、この連載で試してみたのかは、本書を読むなりして欲しいが、この連載では、毎回、デザインとは何なのかを考えさせてくれる。
文章とビジュアルは、密接な関係を持ち、その文章を目に見えるかたちにすると、こういうデザインも面白いのではないか?と提案してくれているのだ。
そんなちょっとしたヒントがたくさん集まったアイデア帳みたいな一冊が、連載をまとめた本書だ。
長谷川さんも、トイレなどにおいて、気がついたらパラパラめくって欲しいと書いているように、毎回見開きの読み切りなので、どのページから見ても良いし、続けて何ページも読む必要もないので、思い出したときに読めるのが、ありがたい。
タイトルの「コトバ」「デザイン」「アソビ」が見事に表現されている1冊だと思った。
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