ザ・シンプソンズ ファン感謝祭 へ行ってきた

2008年5月4日(日曜日)に、中野ZEROホールで、ザ・シンプソンズ ファン感謝祭が開催された。
私は、幸運にも会場に入ることができた一人だ。

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告白すると、私は、シンプソンズに対して、それほど詳しいわけではない。

私がザ・シンプソンズを知ったのは、C.C.レモンのTVCMが最初だし、ミスタードーナツでもキャンペーンをしていたなぁ~くらいだ。
なぜ、ドーナツが重要なのかも、このときは知らなかった。

アニメには、頭の天辺から黄色いキャラクターや、青いデカ長頭のキャラクターが出てくる。
どうも、この坊主頭の父親、ホーマー・シンプソン一家がメインのアニメだ。

公式ページWiki(ザ・シンプソンズ)に詳しい解説があるのでリンクした。

ザ・シンプソンズが米国で生まれたのが、1989年。1992年には、日本でWOWWOWにて放映が開始されたそうで映画になったのは初めてらしい。
キー局の地上波では放送されていない。我が家には、有料放送チャンネルがないから、私が知らないのも納得だ。

でも、気になってはいた。ザ・シンプソンズがブラックなジョークで面白いということは聞いていたから。

で、2007年。映画館で映画を見ていたら「ザ・シンプソンMOVIE」の宣伝が挿入され、映画になることを知った。
C.C.レモンのTVCMで動画と吹き替えを見ていたから、すぐにあのイメージが浮かんできた「Doh!(ドゥ!)って声だ。

日本で劇場公開されたら、何の疑いもなく吹き替え版を見たいと思っていた。

ところが、蓋を開けてみると、昨今の吹き替え映画みたく、日本のタレントが声を当てるということがわかった。
坊主頭の父親の声は、大平透(ハクション大魔王の声でごじゃる)さんがつけていたのに、映画版のホーマーだけが所ジョージと、声が変わってしまっては違うアニメになってしまうではないか。

これは、長年のファンにとっても許せないのではないか?と思った。
案の定、ファンは大反対をした。
20世紀FOXが決めたのであれば、自分たちの力ではどうしようもないだろうが、オリジナル声優陣にとっても悲しい決定だったと思う。

劇場公開は、見なかった。なぜなら、オリジナルの声を少なくともTVCMで知っていたし、タレントの吹き替えで成功パターンが皆無だからだ。
しかし、字幕もありえない。私にとっては、ERを吹き替えで見ないと気がすまないようなものだろうか。

ファンは、「オリジナル声優版のザ・シンプソンズ」をと、その声を集めた。
20世紀FOX側の認識の甘さが生んだこの映画だが、ファンの活動のおかげで、DVDには、2つの吹き替え版が入れられることになった。1つは、映画と同じタレントによる吹き替え版。もう1つは、オリジナル声優による吹き替え版。

ファンとしては、大画面で活躍する馴染みのザ・シンプソンズを見たかったに違いないが、仕方ない。いや、2つの吹き替え版を公認しDVDにした20世紀FOXは、大英断(そもそも失敗のフォローだが)だったと言うべきか。


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そして、2008年5月4日になる。


ファンの声によって20世紀FOXが動き、オリジナル声優さんが映画の吹き替えをすることができたことを一緒に喜ぼうと大平透さんが声を掛けて実現したのが「ザ・シンプソンズ ファン感謝祭」だ。

DVDを買った人たちが、みんなで大画面のオリジナル声優吹き替え版映画を鑑賞しようというイベントだ。だから、会場には、この日のために、DVDは買ってあるが、まだ見ていないという人もいたくらいだ。

にわかファンである私も、DVDを買って、大笑いし、ザ・シンプソンズの面白さに目覚め、この日を待ち遠しくしていた。

会場は、東京・新宿にある「中野ZEROホール」。この日集まったファンは、北は北海道から、南は、福岡まで、500人ほど。正確には、抽選したので、応募したが外れた方も居たに違いない。

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開始のベルが鳴ると、会場は暗くなり、オリジナル声優陣によるラジオドラマの体裁で始まった。
「中野ZERO」へシンプソン一家が尋ねてくるという設定だ。

ホーマーが運転している車は日本の渋滞のせいで、少し遅れそうだ。
でも、ドーナツのつまみ食いは忘れない。

( とかなんとか、一家のいつもの会話がつづく )

この演出だけでも嬉しい!声優さんはプロだから、めちゃくちゃ上手だ。

舞台は、緞帳が下りて、会場は真っ暗だったが、ちょうど私の位置からだと、舞台の袖にあるマイクに向かって入れ替わり立ち代り声優さんたちがセリフを言っているのが見れた。


( そう、あれは、テープ再生ではなく、生だったのだ!貴重な体験だった )

そして、シンプソン一家、到着!

そこで、ステージに照明があたり、最初に登場したのは、クラスティ役(ピエロ)の島田敏さんとマージ(ホーマーの妻で、髪型が青デカ長)役の一城みゆ希さん。


お二人が司会進行を務めオリジナルの声優陣たちが、一人一人役柄といっしょに紹介され登場してくる。一同、大歓迎の拍手で迎える。

しかし、まだ、大平透さんがいない。最後に一条さんから、ホーマー・シンプソン役の大平透さんが紹介される。ゆっくりと舞台袖から出てきて、中央に。ますます、大きくなる拍手。
大平透さんが、最初の挨拶をしようと、マイクに近づき、静まり返る場内
 

  • 「こんなにたくさんの人に支えられていることを知って嬉しかった」
  • 「今日会場に来れなかった人、遠方の人、ネットの向こうから応援してくれている人がたくさんいることを忘れない」
  • 「アレはあれ、もう、水に流して頑張りたい」


そんなことを言っていた。
大平さんは、事前に挨拶を用意していたそうだが、それよりも、感謝のことばしか出ないと言っていた。マージ役の一城みゆ希さんは、いきなり涙流して「鼻水だらけでごめんなさい、嬉しくって」と胸一杯の様子だった。

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ザ・シンプソンズというアニメの面白いところは、こんなところかなぁ、と思う。

・場面転換が早いので、軽快で飽きない(実は内容があるが、勢いだけは「ボボボーボ・ボーボボ」みたいなノリ)
・ホーマー(親父)がいい加減なヤツだけど、実は家族思い?
・ジョークがブラックで効いている(世界情勢を知らないと付いていけないジョークもありかなり知的)
・ザ・シンプソンズは、4本指キャラ
・ディズニーを揶揄するシーンがあったりする

映画版だけかもしれないが、細かいジョークがたくさんあったあと、最後は、普段は最低のホーマーがいいやつだという
ことで、泣かせる(ドラえもんで、映画版になるとジャイアンがいいやつになるようなものか)。
でも本当にいいやつなのかどうかがやっぱり分からないところが最高。

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大画面での映画(DVD)鑑賞の後、大平透さんによるサイン会も開催された。会場の全DVDにサインをするということだった。最大で500枚だ。
それでも、サインをすると言い切った大平透さんの、ファンに対する気持ちが痛いほど嬉しかった。私もDVDにサインをしていただいた。

その間、声優さんが自らのキャラクターになりきり、自分のクイズを出したりして盛り上がった。でも、ぜんぶ正解しちゃうくらい濃いファンばかりだった。

プレゼントもあった。
まずは、全員にミスタードーナツの「ふるえるクッション」。クイズの勝ち抜き正解者には、映画の特大B1ポスター(声優陣のサイン入り)、キャラクターTシャツ、キャラクターマグカップ、TVシリーズの台本(転売不可だよ)、キャラクターステッカーなどだ。

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サイン会の途中では、元WOWOWで長年シンプソンズのプロデューサーを務めてきたという方の話があり、実は、吹き替えに当たっては、自分ともう一人で実際にセリフを当ててみて、ニュアンスを損なわないかをチェックしてから台本を声優さんに渡していたという逸話まで出た。声優さんたちも初耳だったそうで、その思い入れある作品に出ることができたことを喜んでいた。

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一城みゆ希さんは、マージ役のオーディションで、どうしても取りたいキャラクターだと、マネージャーさんに話していて、オーディションに受かったときは、ものすごく嬉しかったそうだ。なぜか、深夜に採用通知が来たが、そのときはバンザイ三唱をしたと言っていた。

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ジャンケン大会もあった。商品は、ザ・シンプソンズのステッカー。バート(ホーマーの息子)役の堀絢子さん(忍者ハットリくんの声)が、バートになりきり、ジャンケンをする。ルールは、負けた人が残る仕組み。しかもバートは「グーを出すよ~」と出す手を予告するのだ。これを信じるか、信じないか・・・アニメのバートの性格では信じないのが無難か?でも、ひねくれているから・・・とか考えながら、私も、何も考えずに、出していたら、見事、最後の20人くらいの中に負け残り、商品をいただくことが出来た。

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最後の退場では、披露宴の後みたいに、声優さんがみんな並んで見送ってくれ、ファンは、声優さんの前を通って帰ることが出来た。


ファン感謝祭は、大平透さんはじめ、声優陣が主催してくれた、ファンのためのイベントだった。心憎いばかりの演出や、サービスが盛りだくさんでファンにはたまらない1日だったと思う。
にわかファンの私でさえ、十分に楽しむことができた。
中でも、大平透さんのサインをいただけたことや、私の前のカップルがものすごく楽しそうにイベントに参加していたのを見て、暖かい気持ちになった。

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ファンクラブのボランティアスタッフにより運営されていたが、ものすごく統率が取れていて、たどたどしい感じがなく、非常にこなれていた。おかげで嫌な気持ちになることがまったくなかった。


私は、足が悪いので杖をついていたが、スタッフの方が常に気を遣ってくださったので、舞台まで上がり、サインをいただいたり、ジャンケン大会に参加して、ステッカーをゲットしたり、楽しむことができた。
この感謝祭は、主催である声優陣のみなさん、実際の運営を行ったスタッフの方々、熱心なファンのおかげで、非常に気持ちよいイベントだった。

あらためて、参加できたことに感謝したい。
あとは、400本以上あるというザ・シンプソンズをどうやって見るかだ。

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最後に、劇場版マージ(母親)役をした和田アキ子だが、彼女は、このアニメがいかにすごいかを知っていて、周囲にもすごい仕事なのだと力説していたそうだ。

彼女の吹き替えを見ていないが、ザ・シンプソンズに対して敬意をもち、真剣に吹き替えを担当していたのが嬉しかった。NYのアポロシアターで9月に歌うそうだが、彼女のソウルが国境を越えて世界に通じ、成功することを祈らずにはいられない。

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写真は、ザ・シンプソンズ 感謝祭のいただきもの3点ミスドのふるえるクッション、ジャンケン大会でゲットしたバートのステッカー、そして、ホーマー役:大平透さんの直筆サインをいただいたDVDパッケージ)。


 

 

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