「トーンカーブのことがわかる」本
『写真の色補正・加工につよくなる~レタッチ&カラーマネージメント知っておきたい97の知識と技』(上原ゼンジ著)
Photoshopを使用する画像加工テクニックには、ワイングラスの中にぶどう畑を作ったりという、ありえない風景を作成するレベルなどの職人技が数多くあって、私も少しだけそのテクニックを真似したいと思うのだけど、Photoshopを持っているだけでは到底できない。
この書籍で扱っているのは、レタッチの基本で、そういった超絶技とは違うのだが、このレタッチ技術は、いままで10年近くPhotoshopユーザーでありながら、はじめて知った内容ばかりだった。つまりPhotoshopの本当の使い方がきちんと載っている。しかも、理由や原因が丁寧に解説してある。
この本のレタッチのメインは「トーンカーブによる画像補正」である。つまり「トーンカーブのことがわかる」本なのだが、タイトルにトーンカーブの事が書かれていないので、内容をきちんと読まないと「ふ~ん」で終わりそうなくらいだ。
Photoshopにあるトーンカーブはこれまでもなんとなく雰囲気だけで使っていたが、微調整が難しいのでレベル補正やコントラスト調整しか使って来なかった。
しかし、この本を読めば、トーンカーブだけでそれらの調整が可能であり、さらに細かなニュアンスの表現が可能なこともわかる。
トーンカーブは最新版でなくても搭載している機能の1つなので、かなり古いPhotoshopでも使えるテクニッックだろう。
時間がなくて、でも、トーンカーブについてすこしでも知った気分になるなら、次の3項目(6ページ)がオススメだ。
- P20「トーンカーブとは」
- P22「トーンカーブの白色点と黒点」
- P24「『明るく』『暗く』にもバリエーションがある」
後半には、カラーマネージメントと製版処理について書かれており、とくに「プロファイル」については、面倒でモニターキャリブレーションまでで終わっていたがこの本で勉強しなおさなくてはいけないなぁ~と実感。
ということで、基礎としてこのへんのことを知る必要がある次の方にオススメの1冊。
- グラフィックデザイナー
- WEBデザイナー
- カメラマン
- デジタル画材を使用するイラストレーター
- その他トーンカーブの使いこなし、カラーマネージメントに興味がある方
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